
書店に積まれた本の表紙で、ドラマで、映画で、東野圭吾さんの名前を目にしたことがないという人は、ごく少数でしょう。1985年のデビュー以来、緻密なストーリー構成、理系知識を活かした独自のトリック、そして人間の複雑な感情を描き出す心理描写で、幅広い層の読者から絶大な支持を集めています。多くの作品がドラマ化・映画化され、海外でもファンを増やし続けてきました。
2026年7月、68歳でお亡くなりになるまでに、100作以上もの作品を世に送り出された東野圭吾さん。その中でも特に人気が高く、新刊が出るたびに大きな話題となっていたのが「探偵ガリレオ」シリーズです。このたび最新刊が発売となりました!
2026年8月5日発売!『永遠の記憶』
内海薫が刺された。犯人は70歳ほどの老人。飛び降り自殺を図るも失敗し、取り調べには黙秘を貫く。やがて内海に恨みを抱く若い娘が捜査線上に浮かぶが、老人との関係は不明。それどころか、内海への本当の復讐はこれからだった。彼女が迫った「究極の選択」とは一体――。一方、湯川と草薙は、老人の“ある持ち物”を手掛かりに、「忘れてはいけない謎」の扉を開く。シリーズ最新、最高峰の謎がいま明かされる。
最新刊の発売に合わせ、「探偵ガリレオ」シリーズを刊行順に一挙にご紹介!気になった作品から読むのもいいですが、順番に読んでいくとシリーズものならではの楽しさが味わえること間違いなしです!
記事後半では「三省堂書店MEETS東野圭吾」と題して、東野圭吾さんの作品やご本人にまつわる思い出、おすすめの1冊などをご紹介します。実はまだ東野さんの小説を読んだことがないという方も、手に取るきっかけになりましたら嬉しいです。
★「探偵ガリレオ」シリーズ
ガリレオと称される天才物理学者・湯川学が、常識を超えた謎に挑むミステリー。 最先端科学、さらには専門知識を必要とするトリックを扱ったミステリーは、理系出身の著者ならではの独創性を誇る。通常だったらありえないトリックも魅力だが、その上に、「この人だったら、こういうことをしそうだ」という人物造形も読みどころ。
『探偵ガリレオ』
『予知夢』
『容疑者Xの献身』
『ガリレオの苦悩』
『聖女の救済』
『真夏の方程式』
『虚像の道化師』
『禁断の魔術』
『沈黙のパレード』
『透明な螺旋』
『永遠の記憶』
出版元 文藝春秋の「ガリレオシリーズ公式サイト」もぜひご覧ください。
★三省堂書店MEETS東野圭吾
三省堂書店のスタッフから、東野圭吾さんの作品にまつわる出来事や、ご本人にお会いした時の思い出をご紹介します。東野圭吾さんの作品はほとんどが電子書籍化されていませんが、これは「町の書店で紙の本を買ってほしい」というご自身の想いからだそうです。書店を大切に想ってくださったお気持ちに応えたい。これからも東野圭吾さんの作品が読み継がれていきますよう、三省堂書店は応援し続けます。
『秘密』
東野圭吾さんの凄いところは作風が一定でないというところで、本当に色々なタイプの作品を生み出すことができる稀有な方だと思います。本作で東野さんは謎解きではなく涙腺を刺激することに専念します。間違いなく東野さんの傑作のひとつに数えられます。「泣きの東野」を読んでみたい方におすすめです。(R.S)
『白夜行』
東野圭吾さんには一度お会いしたことがあります。本書を読んだ方におすすめの「幻夜」が発売になった時にご挨拶にお越し頂いてサイン本を作って頂きました。スノーボードがお好きで当時は貫井徳郎さんと一緒に滑りに行くことがあるとおっしゃっていました。インタビューでは今の自分が存在する理由の8割方はスノーボードがもたらしてくれたと思っていると答えています。「スノーボードマスターズ」という国内屈指の大会まで開催しているスノボ狂なのです。映画のジャンルでフィルム・ノワールというジャンルがあります。犯罪映画といってしまえばそれまでですが、探偵ならまだしもギャングやジゴロのようなはみ出し者が主人公だったりして社会の暗黒面を描く暗さが特徴です。映画全体を通して夜の場面が多くて暗く悲観的でハッピーエンドになんてならないのですが映像的には非常にスタイリッシュでかっこいいイメージがあります。この小説はまさにフィルム・ノワールだと思います。(R.S)
『容疑者Xの献身』
入社して3か月、まだ右も左もわからない頃『容疑者Xの献身』が直木賞を受賞しました。その直後に店頭で積み上げられた容疑者Xは、私がそれまでの人生で見たことがないほどの圧倒的なボリュームでした。あの時の鮮烈な光景は目に焼き付いて離れず、20年以上経った今でも週1回くらい夢に出てきます。ストーリーがわかりやすく、読書初心者にもおすすめです。東野作品で知名度がトップクラスに高いため、友達と本の話をするときに話題に出しやすいのもいいですね。(杉浦)
『マスカレード・ホテル』
いまはなき旧神保町本店では、『マスカレード・ホテル』が映画化された際に原作の文庫を大量に仕入れて猛プッシュしました。気合を入れすぎて展開した結果、映画の公開が終了してから2年が経過してもなお、同じ場所に『マスカレード・ホテル』が鎮座し続けていたのを覚えています。(杉浦)
『素敵な日本人』
日本人に馴染み深い四季折々の行事を題材にした4編と、異色のミステリ5編の9編を収録した東野圭吾さんの短編集です。ミステリ要素は少ないですが予想がつかない展開に引き込まれます。日常の中にある不思議そうなことを題材にしていて、東野さんの長編は読んだことがあるけれども短編を読んだことがない方におすすめです。(R.S.)
『おれは非情勤』
子ども向け学習誌の連載をまとめた連作短編集。文章は平易で子どもにも読みやすい作品ですが不倫・虐め・賭博…など小学生向けにはちょっぴり重いテーマが描かれます。子どもを子ども扱いしない東野圭吾さんの名作、大人にもお勧めです。(K)
クラブ三省堂の入会手続きにお困りのお客様からのお問合せ。無事ご入会いただいたあと「東野圭吾さんの本がたくさん読みたくなって入会しました」とおっしゃっていました。訃報が入った直後のお問合せでしたが、これからも東野さんの作品が読み継がれていくために、書店員としてできることをしたいと感じた出来事でした。(S)
2026年8月6日 更新