





2025年上半期のベスト5ー渡邊康弘
2025年刊行された本の中から、これからの時代を考えた上で読んでおいた方がよい本を厳選してお伝えします。
『ゆるストイック ノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考』佐藤航陽/ダイヤモンド社
「まえがき」があらゆる立場を受け入れる「立体話法」で書かれ美しい。自分を律する「ストイック」さと、他人と違う考えを許容し干渉しない「寛容さ(ゆるさ)」という、相反する価値観を同時に持つことが強さにつながる。その考えに至った著者の思考を追体験できる一冊。
『カット・イン/カット・アウト』松井玲奈/集英社
著者のアイドル、女優として経験があるからこそ書ける小説。2025年下半期から2026年上半期のテーマ「スポットライト」をどう浴び、「スポットライト」をどう他者にあてるのか?著者は未来を小説におろしたのか?これからのカギになる内容が具体的にイメージできる一冊。
『マーケティングの科学』バイロン・シャープ/朝日新聞出版
南オーストラリア大学の秘蔵の教科書がついに翻訳。コトラーマーケティングを終わらせ、現代マーケティングに多大な影響を与えたバイロン・シャープ教授。ロイヤルティを高めるよりも、1年に一回だけ購入するユーザーを増やすために、認知力を上げること。P&Gをはじめ、様々な企業が実践している現代マーケティングを体系的に学べる一冊。
『読解力は最強の知性である』山口拓朗/SBクリエイティブ
拙著『没入読書』と併せて読みたい一冊。『言語化力大全』の著者による、読解力アップする秘けつが書かれている。本書では、「本質読解」「表層読解」「深層読解」と読解を3つに分けているのがユニークで、効果的な読解方法といえる。
『スケーリング・ピープル 人に寄り添い、チームを強くするマネジメント戦略』クレア・ヒューズ・ジョンソン/日経BP
Googleや、Stripe、HubSpotの役職を歴任した著者がおくる、企業成長するためのマネジメント論。チーム構築、採用、人材育成、社内ルール、面談、評価、フィードバック、キャリア、自己管理など、企業をスケールさせる方法が具体的に書かれているので、使える一冊!間違いなし!
2024年は、三宅香帆氏の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』がベストセラーになり、読書関連本が多数出た2025年上半期でした。新井紀子教授の『シン読解力』、山口拓朗氏の『読解力は最強の知性である』、拙著『没入読書』、さらに『独学大全』の読書猿氏の5年ぶりの新刊『苦手な読書が好きになる! ゼロからの読書教室』など、多数の読書関連本が出版されました。ここから2025年後半からのテーマは、どうコミュニティを作ったり広げたり、ヒット商品やヒットサービスをつくるインスピレーションを得たり、そして、どうオンリーワン、ナンバーワンになっていったりするがカギになってきます。この読書関連本からどういう本が売れてくるのかが楽しみです。
2025年6月1日 更新