神保町 あの人の1冊【クオン(チェッコリ)】

「神保町あの人の一冊」にて本を紹介してくれた「あの人」からお店のおすすめや人柄が伺えるインタビュー記事を掲載します。あなたの好きが見つかる!広がる!そんな出会いがあればうれしいです。

<店舗紹介>
アンニョンハセヨ。チェッコリへようこそ。
チェッコリは、「韓国をまるごと届ける本屋」です。韓国語で書かれた書籍はもちろん、日本語に翻訳された韓国文学や関連書籍も幅広く取り扱っています。

<店舗のおすすめ その1>
チェッコリの大きな特徴のひとつは、韓国文化のさまざまな分野で活躍されている方々を招いたトークイベントの開催です。年に約100回ほど実施しています。
現在、特に力を入れているのが「CHEKCCORI BOOK倶楽部」です。
この活動の一環として、チェッコリスタッフが厳選した小説・エッセイ・詩集・人文書・コミックなどを、月に1冊、6か月にわたってお届けする韓国語書籍の選書サービスを行っています。
さらに、韓国語で読書を楽しむ方々が集う読書会も開催しています。初心者向けの班(コース)に加え、特定の作家を深く読み解く班も用意しています。韓国語で読書会を継続的に行っている場所は非常に少なく、チェッコリはその取り組みを長年続けてきました。

<店舗のおすすめ その2>
店内の奥には、ZINE(ジン)のコーナーがあります。例えば、韓国のお酒や食文化をテーマにしたものや、韓国文学や古典に初めて触れる方のためのZINEなど、オリジナルで制作した冊子を展開しています。現在、特に人気があるのは、韓国各地のアートツアーを紹介したZINEです。ZINEの魅力は、作り手の「好き」が原動力となり、号を重ねるごとに内容がより深まっていく点にあります。作り手でありながら読み手でもあるお客様がいらっしゃることは、私たちにとって大きな喜びです。

<神保町への思い>
私は日本に来て三十数年になりますが、「本の街」神保町でこうして働けていることに、深い感謝の思いがあります。2015年7月にチェッコリを立ち上げた後、その年の秋に、神保町岩波ブックセンターの代表であり「神保町を元気にする会」の事務局長でもあった柴田信さんが来店してくださいました。柴田さんは店内をゆっくりご覧になり、その様子をブログに綴ってくださいました。その後、お電話をいただき、訪問してくださっていたことを知りました。とても温かい文章を書いてくださったことが、今でも印象に残っています。
柴田さんはすでに他界されていますが、その年の秋に開催された神保町ブックフェスティバルへの出店を勧めてくださいました。当時は、出版社として申請すれば出店できることも知らなかったのですが、実際に参加したことで「日本で認めてもらえた」という強い実感を得ることができました。
その後、柴田さんとともに、神保町を韓国の方々やチェッコリのお客様に紹介するためのトークイベントを企画しました。その最初のゲストが柴田さんでした。
こうした神保町とのつながりを、今もお客様に伝え続けています。
<三省堂書店への思い>
神保町は、多くの国の人々が行き交い、さまざまな言語が飛び交う場所です。外国からの来訪者も多く訪れます。そのような中で、三省堂書店でも日本語だけでなく、韓国語をはじめとする多言語の書籍をさらに充実させることで、より多くの方に親しまれる場所になるのではないかと感じています。チェッコリは韓国関連書籍を応援していますし、自分たちのネットワークを通じてさまざまな国の書店も紹介できると思います。ぜひ、多様な言語の本が並ぶ場として、さらに発展されることを願っています。
<神保町 あの人の1冊>
インタビューを受けて下さったクオン(チェッコリ)のキム・スンボク代表のお気に入りの本をご紹介。神保町という町に足を運ぶ方々、本が好きな方に刺さるであろう選書です。ぜひ読んでみてください。

『完全版 土地 01巻』朴景利(著),金正出(監修),吉川凪(訳) / クオン
(あらすじ)1897年、朝鮮半島の農村。大地主の屋敷で起きた前代未聞の事件が、人々の運命を大きく揺るがす——。毎日出版文化賞受賞、韓国文学の最高峰と名高い全20巻の大河小説がついに完訳。息をのむ人間ドラマが、今始まる。
『死の自叙伝』金恵順(著),吉川凪(訳) / クオン
(あらすじ)2025年、HKW国際文学賞を詩集で受賞——アジア人初の快挙。光州民主化抗争、セウォル号事件……権力に奪われたすべての命へ捧げる「死の自叙伝」49篇。韓国フェミニズム詩の旗手が問う。「わたしたちの生は、不完全な死だ」と。
『幼年の庭』(著)呉貞姫, (訳)清水知佐子 / クオン
(あらすじ)日常に潜む不安、孤立、愛情の揺らぎ——生きあぐねる女たちの心を、繊細で詩的な言葉で描いた呉貞姫の作品集。朝鮮戦争を生き抜いた著者の幼少期から三十代の内面まで、全九編を収録。時代を超えて響く、現代女性文学の原点。
2026年4月22日 更新