









本を読んでいる時にページをめくる手が止まらなくなり最後まで読まないと気が済まなくなったことはありませんか?謎解きや笑いや冒険など驚きに満ちた本がたくさんあります。手に汗握って息をのみ徹夜してしまうこともあるかもしれません。そんなワクワクやドキドキをお届けするのが「ワンダ?ワンダ!」レーベルです。
『神の子 上・下』薬丸岳/光文社
本書は少年犯罪など難しく重いテーマに取り組む薬丸岳さんには珍しくエンターテイメント性の高い物語です。戸籍すら持たぬ数奇な境遇の主人公は少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録します。500ページを越えますが展開の速さと登場人物の多彩さに惹き込まれて恐らく一気に読むことになるのではないでしょうか。圧倒的なストーリー展開でドラマチックで読後感も清々しいです。(R.S.)
面白すぎて3日で読み終えました。無戸籍のまま育ち、殺人罪で少年院に入った町田。天才的な頭脳を持つが冷淡な彼が人と触れることで変化していく様子と町田に忍び寄る社会の闇との戦いはとても読み応えがあります。(T.H.)
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『Aではない君と 』薬丸岳/講談社
『廃用身』久坂部羊/幻冬舎
脳梗塞などの麻痺で動かず回復しない手足を廃用身というそうです。恐ろしいまでのリアリティと興味をそそられるストーリー構成にぐいぐい引き込まれて一気読みしてしまいますが、何たる後味の悪さでしょうか。久坂部羊さんの衝撃的かつ鮮烈なデビュー作が本書です。(R.S.)
衝撃のデビュー作でした。てっきりノンフィクションだと思って読んだ記憶がこびりついています。(Y.S.)
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『慟哭』貫井徳郎/東京創元社
『夜のかくれんぼ』星新一/新潮社
星新一さんのショートショートの良いところは時間が無くても読めることです。何十年も前に書かれているのに今でも全く色褪せず新鮮で古さを全く感じさせません。これだけたくさんのアイデアを出して奇想天外な結末を用意できるのは不世出の天才だからでしょうか。余計なもののない短い文章の中にシュールなブラックユーモアをふんだんに加えながらもきっちり物語の世界に引き込んでいきます。(R.S.)
小学生の時母の本棚からこっそり抜いて読んだ一冊。初めて触れた星新一でした。ガツンと頭を殴られたような衝撃で、彼の作品すべてに触れたい!と父に頼んで大きな図書館まで連れて行ってもらった思い出があります。(N.K.)
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『ボッコちゃん』星新一/新潮社
『暗幕のゲルニカ』原田マハ/新潮社
原田マハさんはニューヨーク近代美術館に勤務されたことがあり、その後キュレーターとして活躍されていた時期もあるそうです。ピカソの代表作「ゲルニカ」にまつわる小説で史実とフィクションを交えながら綴られていきます。ピカソの「芸術は、飾りではない。 敵に立ち向かうための武器なのだ。」という強烈なメッセージが込められた本物の「ゲルニカ」を、いつか見に行こうと思うこと間違いなしです。(R.S.)
事実と事実の間を豊かな想像力で埋め魅力的なアートの世界を案内してくれる著者がピカソに挑んだ作品。反戦の象徴として知られるゲルニカがどう生まれどう今に残されたのか、込められたメッセージに心を打たれます。(M)
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『旅屋おかえり』原田マハ/集英社
『雲神様の箱』円堂豆子/KADOKAWA
古代日本「倭」を舞台にした和風ファンタジーで、男が女を守るのではなくその逆の強い女の子が王子を守るお話です。良質な児童文学を読んだ感じになるのは主人公が成長していくからでしょうか。本書の後に2作刊行されているので現在シリーズで3作となります。(R.S.)
災いの子とされ一族を追われたセイレンと、大王に反逆せんとする若い王を中心に紡がれる古代ファンタジー。素直で媚びないセイレンが、自分の欲求と良心の間で葛藤しながら居場所を探していく姿が魅力的です!(K.M.)
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『どろぼうの神さま』コルネーリアフンケ/WAVE出版
『カーテン』アガサ・クリスティー(著)、田口俊樹(訳)/早川書房
著者のクリスティが生んだ名探偵ポワロ最後の作品です。ミステリーとして斬新で挑戦的な質の高い謎解きが用意されています。最後にふさわしい犯人でトリックで決着だと思います。発表されたのは1975年ですが実際に執筆されたのはクリスティ全盛期の1943年ということで、ラストの真相に衝撃を受ける構成に凄みを感じます。(R.S.)
世界中で有名な名探偵ポアロが、老いてなお灰色の脳細胞を使って挑む最後の事件を描いています。読後、少し切なくなりましたが、シリーズをまた最初から読みたくなるさすがアガサ・クリスティと思わせる1冊です。(T.A)
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『検察側の証人』アガサ・クリスティ/早川書房
『ハ-ドボイルド・エッグ 新装版』荻原浩/双葉社
フィリップ・マーロウに憧れるパッとしない探偵とその女性秘書とのドタバタ活躍劇です。笑ってホロリとして心にジーンとくる傑作ですが、フィリップ・マーロウが登場するレイモンド・チャンドラー作品を読んでいるとより楽しめると思います。(R.S.)
ハードボイルドに憧れて、その生き方を実践する私立探偵。あふれるユーモアとサスペンスの中に、自分の夢を真摯に追う主人公の理想とギャップが描かれます。三省堂入社の面接時に好きな本としてアピールしました。(Y.M.)
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『ロング・グッドバイ』レーモンド・チャンドラー/早川書房
『スモールワールズ』一穂ミチ/講談社
少しづつ話が繋がった短編集で、一話一話の内容が濃く、予想を裏切られるというよりは、予想と全く違う場所に着地します。様々な人間模様が描かれていて、哀しさや寂しさを静かに包み込むような物語です。人は皆小さな世界でもがいて生きていることがわかります。(R.S.)
短編ですがすごい!何気ない描写のひとつひとつが編み込まれて全て読み終わったときにできあがった世界が本当にすばらしい。ちみつで繊細な大きなレース編みのようです。大好き。(A.K.)
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『流浪の月』凪良ゆう/東京創元社
『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦/角川書店
小学4年生のアオヤマくんは研究することがいっぱいで多忙な毎日を送っています。そんな彼の住む街にある日ペンギンが出現します。アオヤマくんはペンギンに関する研究をペンギン・ハイウェイと名付け、突然ペンギンが出現した理由を明らかにするため奮闘します。少し変わった小学生が体験するひと夏のファンタジーで爽やかで素敵な物語です。(R.S.)
タイトルからどんな内容か想像できなかったので興味本位で購入。興味本位で購入したが、結果的にすごく面白い。森見ワールド全回の1冊。(H.K.)
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『太陽の塔』森見登美彦/新潮社
『どろぼうの神さま』コルネーリアフンケ(著)、細井直子(訳)/WAVE出版
著者のコルネーリア・フンケはドイツの児童文学・ファンタジー小説作家です。
大人は子どもの頃に戻ることを夢みるけれど、子どもだった時のことを忘れて子どもに自分の都合を押し付けます。 子どもはそんな不自由さが嫌で早く大人になることを夢みます。 早く大人になりたい子供時代と、子供に戻りたい大人時代を考えさせてくれる本です。(R.S.)
大人になりたい子どもと、子どものままでいたい大人。夢、希望、喜び、不安、悲しみ、葛藤など、ページをめくるたびに色々な感情が揺さぶられる。(T.K.)
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『クロ−ディアの秘密』E.L.カニグズバ−グ/岩波書店
2025年9月11日 更新