年末年始に読みたい おすすめミステリー2025

各社のミステリベストが発表されると年末を感じる方も多いのではないでしょうか。年末年始にゆっくりと読書を楽しみたいけれど、何を読もうか迷っている…という方におすすめのミステリをご紹介します。
『夜と霧の誘拐』笠井潔 / 講談社
現象学を駆使して謎を解く哲学者的な探偵・矢吹駆とナディアのコンビのシリーズ最新作。舞台は1978年の秋のヨーロッパ、同一日に起きた誘拐事件と殺人事件…混迷する二つの事件を繋ぐ真実を解き明かすミステリーです。
各作品には実在の思想家をモデルとした人物が現れますが、今回はハンナ・アーレントをモデルとした人物との哲学対話が一つの魅力。650ページを超える重厚な作品だけに、じっくりと時間をかけて読むことをお勧めします。
『バイバイ、エンジェル』笠井潔 / 東京創元社
小説家・笠井潔のデビュー作であり、探偵・矢吹駆のデビュー作でもある一冊。1970年代のパリを舞台に首無し死体・密室爆発など不可解な連続殺人事件が発生する、という本格ミステリの基本を押さえた作品です。1979年の作ではありますが、矢吹駆の現象学的アプローチや司法警察の警視の娘ナディアの推理合戦など、今読んでも新鮮なミステリーです。
『探偵小石は恋しない』森バジル / 小学館
”名探偵”にあこがれる女探偵とその助手くんが主人公、普通の不倫調査をこなしていくが…という流れの連作ミステリー。各話に裏があり、全編通しても驚かされ、ネタバレした後にもう一度読み返したくなるミステリー。軽く楽しめる作品なので、重い作品の合間に読んでみてください!
紹介作品を振り返って
最初にご紹介した笠井潔さんは1948年生まれのベテランの作家です。『クビキリサイクル』でデビューした西尾維新さんも影響を受けた作家のひとりとして笠井さんのお名前を挙げているので、読み比べてみると思わぬ発見があるかもしれません。
森バジルさんは2018年にスニーカー大賞を受賞しその後一般文芸へと活動の幅を広げた、これからの作品が楽しみな若手の作家のひとりです。冲方丁さんの『マルドゥック・スクランブル』を「最高のエンタメ」と評しているので気になる方はぜひ読んでみてください。
新旧さまざまな作家の、新作も過去の作品も並ぶのが書店の良さでもあります。ぜひ店頭で気になる一冊を見つけてください。
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★宝島社 このミステリーがすごい!

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この年末年始は、お気に入りの飲み物を片手に、心躍るミステリーの世界に浸ってみませんか。どの作品も、長い休みだからこそじっくりと楽しめる珠玉の一冊です。素敵な読書時間をお過ごしください。
2025年12月25日 更新