書店員のおすすめー2025年9月
三省堂書店で仕入を担当する書店員が毎月のおすすめをご紹介。
膨大な出版物の中から、今おすすめの一冊を選ぶ——。
三省堂書店で仕入を担当する書店員が、毎月のおすすめ本をご紹介します。話題の新刊はもちろん、埋もれた名作や季節にぴったりの一冊など、選書の視点は“売場の最前線”ならでは。
日々の暮らしに寄り添い、ちょっと豊かにしてくれる本との出会いを、どうぞお楽しみください。
『土と生命の46億年史 土と進化の謎に迫る』藤井一至 著/ 講談社
現代の科学技術をもってしても作れない二つのもの、「生命」と「土」。その生命は、じつは土がなければ地球上に誕生しなかった可能性があるという。そして土は、動植物の進化と絶滅、人類の繁栄、文明の栄枯盛衰にまで大きく関わってきた。身近過ぎて深く考えたことのない「土」の不思議と地球の未来について考える一冊です。
『日清食品をぶっつぶせ』安藤徳隆、竹居智久 著 / 日経BP
ユニークなCMで話題になることも多い日清食品。本書は日清食品社長の安藤徳隆氏と日経ビジネスの記者との二人三脚の著作です。「最高にジャンクで最高にヘルシーなもの」を日清食品は提供する、と熱く語る安藤徳隆社長の言葉を聞いていると、スティーブ・ジョブズで有名な「現実歪曲フィールド」のプレゼンテーションのようだと言います。
プレイバック書店員のおすすめ 2015年9月
懐かしいあの本・今も人気のあの本。
過去のおすすめも出会ったときが新刊です。
『世界で一番美しい分子図鑑』セオドア・グレイ (著)、ニック・マン(写真) 、若林文高(監修)、武井摩利(訳)/創元社
大ヒット「世界で一番美しい元素図鑑」の著書の第2弾が今度は”分子”を主役にして発売しました。意外な切り口とトピック、そして興味深い写真をたくさん使い、様々な分子の構造を楽しく説明していきます。少し早いですが、クリスマスプレゼントの候補にいかがでしょうか?
『貯金兄弟』竹内謙礼/PHP研究所
有名国立大卒広告マンの兄、高卒消防士の弟、お金に対する考え方が真逆の兄弟の数十年にわたる対立と和解の物語。現代社会を生きていく上で必ず知っておくべきながら、実は詳しくは理解出来ていない、貯金・住宅・生命保険・老後のお金に関する知識。これらを縦糸・横糸として織り成すマネー戦略ノベルです。
『奴隷のしつけ方』マルクス・シドニウス・ファルクス(著)、ジェリー・トナー (解説)、橘明美(訳)/太田出版
古代ローマの貴族階級は「奴隷」をどれだけ使っていたか。そして、その「使い方」はどんなものだったのか?長きに渡り繁栄したローマ帝国を支えた「奴隷制度」を解説しながら「人を使う」ということに対するヒントがちりばめられた一冊である。
2025年10月1日 更新