本を読んでいる時にページをめくる手が止まらなくなり最後まで読まないと気が済まなくなったことはありませんか?謎解きや笑いや冒険など驚きに満ちた本がたくさんあります。手に汗握って息をのみ徹夜してしまうこともあるかもしれません。そんなワクワクやドキドキをお届けするのが「ワンダ?ワンダ!」レーベルです。
『宵山万華鏡』森見登美彦/集英社
京都三大祭のひとつの祇園祭は八坂神社の祭礼でその歴史は平安時代にまで遡るそうです。宵山とは祇園祭のメインとなる山鉾巡行の前夜祭と後夜祭のことで、前夜祭ではたくさんの露店が出て賑やかなお祭りムードで、後夜祭では歩行者天国や露店の出店はなく、お祭り本来の幻想的な雰囲気のなか落ち着いて散策することができるそうです。本書は幻想的で不思議な短編集です。ファンタジーなのですがホラー的な要素も入っており森見ワールド全開です。(R.S.)
怪談めいた仄暗さと阿呆な大学生のどんちゃん騒ぎが同居している連作短編集。どっちの森見登美彦も良い!!(A.S.)
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『船乗りクプクプの冒険』北杜夫/集英社
『船乗りクプクプの冒険』北杜夫/集英社
北杜夫さんといえば遠藤周作さんとの狐狸庵&マンボウを思い出します。「違いがわかる男のネスカフェゴールドブレンド」のCMに最初に狐狸庵先生こと遠藤周作さんが出演すると、どくとるマンボウこと北杜夫さんが「俺にも出させろ」と言ったとか言わなかったとか・・・。当時はこのお二人のユーモラスな会話や文章がとても人気がありました。最初はお互いに敬意を払っているのですが、いつのまにか罵倒合戦になっているのが本当に面白かったです。お二人のやりとりは以前は「狐狸庵VSマンボウ」という本にまとめられていましたが残念ながら現在は手に入らないようです。本書では主人公のタローがキタモリオ作の「船乗りクプクプ」という本に吸い込まれてしまい、元の世界に戻るため原作者キタ・モリオ氏を探す大海原への船旅に出ることになります。児童書風なのですが大人でも十分楽しめる一読の価値がある本です。(R.S.)
宿題に嫌気がさし、本を読み始めたタロー。その主人公クプクプになり不思議な世界へ。奇妙な冒険の中で、苦難を乗り越えるクプクプの成長が清々しい。面白さの中に学ぶべき事も多く、子供も大人も楽しめる本です。(K.M.)
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『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット/福音館書店
『マイナス・ゼロ』広瀬正/集英社
著者の広瀬正さんはあまり長くは生きることができませんでした。もう少し長生きしていればSF御三家の星新一さん、小松左京さん、筒井康隆さんと並ぶ作家になっていたことでしょう。
本書はいわゆるタイムトラベルもので、主人公が昭和20年の空襲のさなかに隣人から死の間際に奇妙な依頼を受けます。そして18年後の昭和38年に隣人の言葉に従うとタイムマシンを発見し、やがて時を超えて昭和初期に旅することになるのです。レトロな昭和の描写が心に沁みます。(R.S.)
ユーモアとノスタルジー。「タイムトラベル小説の金字塔」という看板に偽りなし。(Y.H.)
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『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/早川書房
『薬指の標本』小川洋子/新潮社
小川さんは「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞しましたが、2003年発表の「博士の愛した数式」が第1回本屋大賞を受賞してベストセラーとなり映画化もされたのでご存じの方も多いのではないでしょうか。本書には短編が2つ入っています。不思議な味わいの物語なのでことばで説明するのが難しいです。小川さんの想像力というか幻想力と静謐で冷たい感じの淡々とした文章が相まって独特の世界を作り出しています。(R.S.)
ひんやりとした静かさが漂い、読み終わった後に奇妙で不思議な感覚が残る作品。(H.M.)
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『変身』フランツ・カフカ/KADOKAWA
『火車』宮部みゆき/新潮社
本当に宮部さんの小説は面白いです。まず登場人物が人間臭くて自然と感情移入してしまいます。主人公が少しづつ手掛かりを掴んでいき真実に迫っていきますが、読んでる方は先が気になってどんどんのめりこんでいきます。ミステリーなのですが現代社会の問題点を浮き彫りにしており不朽の名作だと思います。(R.S.)
休職中の刑事が失踪した女性の行方を追う話なのですが、特に終盤の展開から目が離せませんでした。続きが気になり徹夜してまで最後まで読み切ったのは今のところこの本だけです。(M.T.)
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『秘密』東野圭吾/文藝春秋
『ロボット・イン・ザ・ガーデン』デボラ・インストール (著) 、松原葉子(訳)/小学館
小学生の頃にテレビで「がんばれ!!ロボコン」というロボットが主人公の実写のドラマがありました。これは失敗ばかりしている主人公のロボットが一人前のロボットに成長していく話でした。
本書はタングという壊れかけのロボットを直すために中年ダメ男のベンが旅に出て成長していくお話です。しかし何といってもタングの設定が素晴らしく胸がキュンキュンします。ベンとタングの心の繋がりにもほっこりします。未来の設定なのでジャンルとしてはSFに入ると思われますがハートフルなヒューマンドラマとして読んで頂きたいです。(R.S.)
壊れかけのロボット、タングがとにかく文句なくかわいい!ダメ夫ベンとの冒険譚であり、ベンとタングの成長記でもあるシリーズ1冊目。表紙も素敵。(T.K.)
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『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/早川書房
『変身』フランツ・カフカ(著)、川島隆(訳)/KADOKAWA
家族の大黒柱として家族を支えてきた主人公がある時虫になってしまい、ひどい仕打ちを受けていく。家族思いで優しかったのに家族から嫌悪され恐れられ距離が離れていく。寓話のような話でこれをどのように解釈するかは読み手次第です。(R.S.)
朝起きたら身体が虫に。ありえない設定なのに読み終わると現実味をなぜか感じるこの感覚を是非。(M)
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『人間の土地』サン=テグジュペリ/新潮社
『たったひとつの冴えたやりかた』浅倉久志(訳)、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(著)/早川書房
人類と地球外生命体との交流を描いた中編が3作入っていて表題作が秀逸です。普段SFを読まない方にもおすすめで、切ない気持ちになるのですがどこか懐かしく温かい感じがします。(R.S.)
SF短編集ですが、SFっぽくない話で、あらすじを知っていても、感動できます。(T.K.)
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『黒後家蜘蛛の会』アイザック・アシモフ/東京創元社
2026年4月30日 更新