





膨大な出版物の中から、今おすすめの一冊を選ぶ——。
三省堂書店で仕入を担当する書店員が、毎月のおすすめ本をご紹介します。話題の新刊はもちろん、埋もれた名作や季節にぴったりの一冊など、選書の視点は“売場の最前線”ならでは。
日々の暮らしに寄り添い、ちょっと豊かにしてくれる本との出会いを、どうぞお楽しみください。
「ゼロからの読書教室」 読書猿 / NHK出版
正体不明の読書家の単著としては4年半ぶり。待望の新刊が出ました!これまでの著作はいわば「プロ仕様」の分厚いものが多かったのですが、今回は著者初めての「薄い」本。ちょっと難しい漢字にはルビが振ってあったり、一見児童向きのように見えますが、本の読み方から、図書館の利用の仕方まで、平易ながらとても深いところまで解説しています。
「カラー版 本ができるまで 増補版」 岩波書店編集部/ 岩波書店
この本は物理的なモノとしての「本」がどのように作られていくのか、印刷・製本の歴史と技術の進化が書かれています。デジタル時代の昨今ですが、ただの情報だけでなく、読み易さやいい色、心地のいい手触りなど、人々に愛される「本」というモノを読者の手に届けたい!とこだわってきた職人さんの思いが伝わる1冊です。
プレイバック書店員のおすすめ 2015年6月
懐かしいあの本・今も人気のあの本。
過去のおすすめも出会ったときが新刊です。
『君の膵臓をたべたい』住野よる/双葉社
タイトルからしてホラーなんで、ドキドキしながら読んだんですが、まさかの青春小説。まさかの号泣。
人の死がテーマかと思いきや、人とのつながりが大切に描かれてて、爽やかで豊かな物語でした。
新人さんだからなぁなんて敬遠せずにぜひ一度お読み下さいまし。オール三省堂、力をあわせて猛プッシュ中です!!
『世界で一番美しい海のいきもの図鑑』吉野雄輔 (著) ,武田正倫(監修)/創元社
ほぼ全部のページが黒バックのデザインは、夏の夜空の花火のようにも見えます。奇妙で珍しい姿の海の生き物から、おなじみの海の生き物の貴重なショットなどを、著者のエピソードごとに楽しめる1冊、見ているだけで実際に海の中にいる様な”涼しさ”を感じることができる図鑑です。
『思考力を鍛える50の哲学問題』小川仁志/教育評論社
哲学」と聞くと、小難しくて理解ができないと敬遠しがちだが、人間、やはり「考える」ことは大切で、その一助を担うものが「哲学」である。人生(大袈裟!)で思い浮かぶ疑問に「哲学」で答えているのだが、その「哲学」を理解するためにわかりやすい「疑問」が設定されている。自分の「哲学」を身につけるためにも役立つ一冊である。
2025年7月7日 更新