




スコアアップのためのマネジメント。実践派ゴルファーに贈る“読む練習”3選
― セルフプレー、戦略思考、メンタル強化…上達のカギは本の中にある ―
「練習しているのにスコアが伸びない」「コースではいつも自滅してしまう」「もっと効率的にゴルフを上達させたい」――。そんな悩みを抱えているすべてのアマチュアゴルファーに、いまこそ手に取ってほしいのが、信頼できる知見と経験が詰まった“読む練習”の書籍たちです。
テクニックも、考え方も、そして心の持ちようまでも。現代のゴルフは「クラブを振る」だけではない奥深いスポーツになりました。スコアアップを目指すなら、練習場やコースに出る前に、まず“脳と心の準備運動”をしておくことが不可欠です。
本記事では、最新のセルフプレー環境に適応するためのアドバイス本から、YouTubeなどでも人気の理論派インストラクターによるスコア戦略、そしてメンタル面の改善法まで、タイプの異なる3冊を厳選してご紹介します。読み終えたその日からゴルフが変わる――そんな“即効性”を感じられる一冊に、あなたも出会えるかもしれません。
1.『ゴルフ セルフプレー時代の超一流キャディのアドバイス』清水重憲/河出書房新社
●キャディの“目線”を自分のものにせよ
近年のゴルフ場ではセルフプレーが主流となり、かつて当たり前だったキャディの存在は希少になりつつあります。しかし、実はこの“キャディがいない時代”こそ、プレーヤー自身が「キャディの視点」を持つことが重要なのです。
著者・清水重憲氏は、プロトーナメントの現場で30年以上キャディを務め、多くのトッププロとともに戦ってきたレジェンド的存在。そんな“超一流の目”が、本書では惜しみなく披露されています。
コースマネジメントの考え方、ショット前の情報整理、風やライの読み方、グリーンの傾斜感覚、さらにはメンタルコンディションへの配慮まで――。一打一打に“判断”が求められるセルフプレー時代において、この本はまさに「キャディの代わりとなる一冊」です。
例えば「ボールが飛んだ方向ばかりを見るな」「クラブの選択に自信を持たせる言葉がスコアを作る」など、現場ならではの具体的なアドバイスが満載。読んでいるうちに「なるほど、そう考えるのか」と自分のゴルフが俯瞰的に見えてくるはずです。
セルフでもスコアを落とさないために。いや、むしろ“セルフだからこそ”スコアを伸ばせるように。本書は、キャディがいない時代を前向きに楽しむための、必読の実践書です。
2.『上達の早さは逆算思考で決まる!てらゆーのゴルフスコアメイク大全』てらゆー /KADOKAWA
●理想から逆算する「頭脳派ゴルフ」入門
「上手くなりたい」と願う気持ちは万人共通。でも、その“上達”をどのように実現するか、その設計図を描けている人は案外少ないかもしれません。
YouTubeチャンネルでも人気のインストラクター・てらゆー氏は、こう断言します。「スコアアップのために大切なのは、感覚より論理、練習より設計だ」と。本書『ゴルフスコアメイク大全』は、そうした逆算的アプローチの集大成です。
たとえば「90を切るためには、どのホールでボギーを取るべきか?」「パー5の3打目を打つ位置をどう設計するか?」など、明確な目標から逆算してプレーをデザインすることが、てらゆー流の極意。頭を使って戦略を立てる“ゲーム感覚”が、読み進めるうちにどんどん楽しくなってきます。
また、スイングの型にはまりすぎるのではなく、「その人の再現性に合った技術選択をしよう」という柔軟な考え方も随所に見られ、読者のゴルフスタイルに応じたヒントが必ず見つかるはずです。
さらに、著者自身がスランプや失敗を経験してきたリアルな語り口が共感を呼び、モチベーションも上がります。“理詰めなのに温かい”という、稀有なゴルフ理論書に仕上がっているのです。
上達への近道は、「とにかく練習」ではなく「理想からの逆算」。てらゆー氏の言葉に耳を傾ければ、あなたのプレースタイルにも戦略的な光が差し込んでくることでしょう。
3.『ゴルフは「心の練習」で上手くなる 自己ベストを更新する即効のメソッド』児玉光雄/河出書房新社
●心を整えることが、スコアを変える
ゴルフはメンタルスポーツだ――これはゴルファーの間ではよく知られた常識ですが、では「心の整え方」を本気で学んでいる人はどれほどいるでしょうか。
本書の著者・児玉光雄氏は、スポーツ心理学の第一人者であり、これまで数多くのプロアスリートを支えてきた実績の持ち主。そんな児玉氏が、アマチュアゴルファーのために編んだのが本書『心の練習』です。
冒頭から語られるのは、「心の状態がプレーの質を決定する」という厳然たる事実。そして、スコアを良くするためには、技術的な向上だけでなく、「心の持ち方」によるアプローチが極めて効果的であることが、豊富な事例を通じて説かれます。
印象的なのは、「完璧主義を手放す」「失敗を受け入れる」「自分との対話を深める」といった、まるで自己啓発にも通じる深いメッセージ。それでいて、どの章も実践的で、プレー中にすぐ使える“心の技術”として応用できます。
特に注目したいのは「ルーティン」「呼吸法」「ポジティブな自己暗示」など、具体的かつ再現性のあるメンタル強化法の数々。メンタルが乱れてスコアが崩れる…という場面に心当たりがある人には、目から鱗の内容です。
“ミスしても崩れない心”を持てるようになるだけで、ゴルフがこれほど安定するとは――。読み終えた後、スコアの変化以上に、プレー中の“心の静けさ”を実感できるようになる一冊です。
総括|“読む練習”がゴルフの新しい武器になる
ゴルフは、クラブやボールといった「道具」だけでなく、知識・思考・心という「内面の装備」が成績を大きく左右するスポーツです。そして、今回ご紹介した3冊はいずれも、「その内面をどう磨くか」に焦点を当てた内容となっています。
セルフプレーという現代のスタイルに対応する知恵(清水重憲)、戦略的にスコアを組み立てる逆算思考(てらゆー)、そして心を整え、失敗からの回復力を育てるメンタル術(児玉光雄)。どれも今すぐに活用できる“即効型の知恵”です。
「読んでからプレーする」「本を持ってラウンドする」――そんな新しい習慣が、あなたのゴルフライフを一段階引き上げてくれるかもしれません。今度の週末、クラブの横に一冊の本を入れてみてはいかがでしょうか。
2025年5月30日 更新