ゴルフにおいてアプローチショットは、スコアメイクの要ともいえる重要な技術です。ドライバーで飛ばしても、グリーンを外せばボギーやダブルボギーにつながる……そんな経験は誰しもあるでしょう。プロのように確実に寄せるには、感覚だけでなく、理論と反復練習が不可欠です。

本記事では、アマチュアゴルファーが「寄せの名手」へと近づくための指南書を3冊ご紹介します。プロによる理論的アプローチの解説から、マンガで楽しく学べる実践書、安定した寄せを身につけるための考え方まで、読めば読むほど、明日からのラウンドが楽しみになる内容ばかりです。どの本も5000円以下で買える“スコアアップの投資”として、ぜひチェックしてみてください。

スピンを操る技術と理論の融合

『スピンを操るThe Approach Palette どんな打ち方でも成功に導く方程式がある！』伊澤秀憲／日本文芸社

「打ち方の数だけ、成功の方程式がある」――そんな印象的な言葉で始まるのが、プロキャディーでありティーチングプロとしても高く評価される伊澤秀憲による本書。アプローチショットの打ち分けやスピンコントロール、ライの見極め方など、単なる技術論に留まらず、状況判断を含めた包括的な「攻めの理論」を展開しています。

特筆すべきは、アプローチの基礎である“距離感”や“打点の安定”に加えて、クラブ選びの考え方や、グリーン周りでのメンタルの整え方など、実戦でこそ活きる知識が満載な点です。図解も多く、スピンの効かせ方やボールの挙動の違いなども視覚的に理解しやすい工夫がなされています。

中上級者はもちろん、これからアプローチを本格的に学びたい初級者にもおすすめ。道具に頼らず、技術と知識で勝負する「職人ゴルフ」の道がこの一冊から始まります。

マンガで学ぶ！楽しく理解するラウンド実践術

『マンガゴルフアプローチ職人 ラウンド実践編』新井真一／新星出版社

理屈で覚えるのが苦手という方にぴったりなのが、新井真一による『マンガゴルフアプローチ職人』。本作はそのラウンド実践編として、実際のプレー中でのアプローチの考え方、失敗しやすい場面での回避法などが、マンガのストーリー形式で分かりやすく描かれています。

主人公が練習と実戦を通じてアプローチの技術を身につけていく過程は、読者自身の成長とも重なり、共感しながら読み進めることができます。解説パートでは、ライ別の打ち方、状況別のクラブ選択なども補足されており、知識の定着にも優れた構成です。

ゴルフ初心者はもちろん、スランプに悩む中級者にも再入門書としておすすめ。ページをめくる手が止まらず、読み終える頃には「アプローチが怖くなくなる」こと請け合いです。

サイコーの安定感を手に入れる！

『ゴルフ寄せが安定する！サイコーアプローチ』菅原大地／池田書店

「ショットはまあまあ、でも寄せでミスをして台無しに……」そんな悩みを抱えているゴルファーにこそ読んでほしいのが、YouTubeやSNSで人気を博すプロゴルファー・菅原大地による『サイコーアプローチ』です。

本書の特徴は「安定」にフォーカスしている点。無理な打ち方ではなく、誰でも実践できる“再現性の高いフォーム”や“確率の高い選択”を提案しています。特に、グリーン周りのアプローチにおける「転がす・上げる・止める」の基本動作を、場面ごとに分けて解説している点が秀逸。

また、写真とともにフォームやクラブフェースの向き、体重配分のポイントを示しており、感覚だけでなくロジックとして理解できる構成が魅力。練習メニューも豊富に掲載されており、読みながらすぐに練習に取り組みたくなる内容です。

再現性こそアマチュアの最大の武器――そんな菅原プロの信念が詰まった、確実なスコアアップを後押ししてくれる一冊です。

アプローチの極意を掴めば、ゴルフはもっと楽しくなる

ゴルフのラウンドで最も差が出るのは、100ヤード以内のショットだと言われます。ドライバーで飛ばす爽快感も魅力ですが、グリーン周りでピタリと寄せられたときの喜びはまた格別です。

今回紹介した3冊は、それぞれ異なるアプローチで技術と考え方を伝えてくれます。理論派には伊澤秀憲の精緻なスピンコントロール、視覚派には新井真一のマンガ解説、そして安定重視派には菅原大地の実践指南。どの本も、あなたのゴルフライフをより深く、より楽しくしてくれる内容です。

クラブを持つ前に、本を開いてみましょう。きっとそこには、新たな発見と上達のヒントが詰まっています。そして次のラウンドでは、自信をもってアプローチに挑む自分に出会えるはずです。